ママチャリの修理
先日、父のママチャリ(正しくは22inchのミニサイクル?)のリアのタイヤ交換をしました。日本の自転車乗りたる者、ママチャリぐらい修理できなくてどうする、と勇んで買って出たのは良いのですが結構大変な作業で、これでは世の町の自転車屋さんも大変だな、と同情しながら慣れぬ作業をようやくやり遂げました。
じつは先日父の自転車が盗難にあってしまい、急遽納屋で死蔵していたママチャリを、引っ張り出してきたのでした。話によると鍵もせずに放置していたらしく、犯人は「ちょっと失敬」のつもりで持っていったのでしょう。しかし、私の初代ロードレーサについていた部品を何個も移植した、ちょっと思い入れがある自転車だっただけに残念です。盗られた自転車も年代物でしたが、納屋から引っ張り出されたものもそれに輪をかけて年代モノで、長い間締め切った納屋の中にあったせいか、タイヤが裂けていて中からチューブが飛び出すひどい有様でした。早速、父がタイヤをホームセンターから調達してきたのですが規格として表記されている22inch*1 3/4のものが見当たらなかったそうで、22inch*1.75ブロックタイヤを自慢げに手にしていました。規格は分数と少数の違い、問題なかろうと早速作業にかかりました。
まず、写真のように上下ひっくり返し、スポーツ車であればクイックシャフトであるはずのナットを緩めはじめました。ここには荷台、泥よけのステー、スタンドと通常スポーツ車にはない装備をこれでもかとばかりにくくりつけてあります。フレームのエンドにはチェーンの張力調整する金具がついていたりして、新鮮な印象を受けます。しかし、この金具をはずしてもホイールはびくともしません。なぜならリアのブレーキドラムにホイールは固定されているからです。ショップのMさんに電話して、要領を教えてもらいブレーキをフレームからはずし、そしてホイールからもはずしてようやくホイールを取り外すことが出来たのです。ここまでくればもう終わったも同然、タイヤの交換は何10回もやってるし楽勝だと鼻歌交じりで22inch*1.75のブロックタイヤをホイールへの装着し始めました。
しかし、どんなに引っ張っても押してもホイールにはまりません。チューブラタイアのように両足でふんばっても引っ張ってもたかが知れています。こりゃ変だと思い、前についていた穴だらけのタイヤと新品のブロックタイアを重ねてみたら、全然違う。内径で2、3cmは小さいのです。またもやMさんに電話すると、「違いますよ」とあっさり。1 3/4と1.75は違うのです。早速、ご無沙汰していた近所の町の自転車屋さんに「22inch*1 3/4ください!」とばかりに駆け込み、所望の品を無事手にしたのでした。
あとは、ついていた順にホイール->テンショナー->フレームエンド->スタンド->荷台->泥よけと取り付け完成です。テンショナーの調整にはコツがあって、
フレームの中心でホイールが回転するようにの2点をM君と自転車屋さんから教わりました。
クランクの逆回転で抵抗が感じられない程度の張力を保つ
ふだん、ロードレーサやMTBで当たり前のように使っていたクイックシャフトが非常にありがたく感じられた出来事でした。クイックシャフト自身はそう複雑なしくみでもないのになぜ、大衆車に普及しないのか?どこかがパテントを握っているのか?LOOKのMTBもクイックではないと思います。中途半端なギアやサスペンションをつけるより、このような面倒な作業から街の自転車屋さんを開放するクイックを普及させたいものです。ただし、クイックシャフトのオペーレーションミスによる危険性の問題がありますね。今のところ、父の「ママチャリ」は快調に走っているようです。
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コメント
懐かしい型の自転車ですね。
20年以上寝かせた上物では??
自転車店でのバイト時代は画像のような自転車ばかりさわってましたよ。22インチの自転車は店では23半(にーさんはん)と呼んでいました。今の自転車の22インチと全然違います。26インチのhe・beとか650のabcと同じと単純に考えてくださいませ。
車軸がクイックレリーズではないのは、コストの問題でしょう。スポークも8本組みではなく6本組み(36穴の場合ネ!)なのも同じ理由です。
でっ、今の自転車店はタイヤ交換で車輪は外しません。
凄く良い工具がでて、車輪を外すことなく交換出来るようになりました。お暇なときでも自転車店でお聞きになってください。目が点になりますから…
投稿: ばった | 2004.05.04 19:09
ばったさん、コメントありがとうございます。そんなことなら、お聞きしとくのでした。そういえば、ばったさんのプロフィールの欄にかかれて有りましたよね。
>車輪を外すことなく交換出来るようになりました。
えっー、どうすんでしょう。頭の中でチエの輪がぐるぐる回ってます。(^^;)
投稿: マッタ | 2004.05.04 20:22
>えっー、どうすんでしょう。頭の中でチエの輪がぐるぐる回ってます。(^^;)
自分の自転車でやられたら泣きますよ…
ブレーキワイヤーを外し、バンドブレーキのバンドも外しフリー状態にします。そして、ブレーキ側のハブナットを外し、泥除けステー&荷台ステー&スタンドをハブシャフトから抜いてしまいます。ギヤ側のナットは絶対外してはいけません。でっ、タイヤ&チューブを外し、バンドブレーキ寄りに寄せておきます。
ここから、悪魔の工具の登場です。
工具にて、バンドブレーキ側のチェーンステーを無理矢理広げます。目安は、ハブシャフトより2cm位でしょうかね。この2cmの隙間を利用してタイヤを外し、新品タイヤと入れ替えます。後は、悪魔の工具にて広がったチェーンステーを縮め、元に戻すだけです。
バイト時代に使ってましたが、BSとかナショナルなどの一流メーカーだと、広げるのに力がいるのですが、二流三流メーカーだと簡単に広がるので楽でしたよ。
メーカー物は造りが違う!と広げて納得でした。w
投稿: ばった | 2004.05.04 22:10
ひょえー、フレームエンドはできるだけ広げないように気を使ったのに~!
ばったさん、詳細なご説明ありがとうございました。
それだけ、「ママチャリ」は頑丈に出来ているということなんですね。
今度この自転車には、私のロードのお下がりの"DURA-ACE"のロゴが光るブレーキパイプをつけてやりたいと思ってます。(^^;)
投稿: マッタ | 2004.05.05 05:57