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2007.08.05

古城グリーンロードレース2007

夏のレースの定番、「丸岡」すなわち、古城グリーンロードレースは相変わらず、ピークのトンネルずいぶん手前で集団から切れてしまってほぼ終了。でも、ふだん練習で出し切っていないこの身にとっては久々に味わう恍惚感は、この炎天下も手伝って少々Hiにさせられて、アルコールで酔ってしまったかのような心地よさだ。木村君のエージでの2位入賞の報もますますこの気持ちよさに拍車をかけて、それなりにいい気分で会場を歩いているとチームのメンバー落車のBAD NEWSで一気に「酔い」が覚めてしまった。

古城グリーンロードレース シニアA 44位/完走101人中

6:00に自宅出発、今町でokada君をピックアップして丸岡へは7:00過ぎに到着。いつもどおり、IC近くの運動公園でベースを張った。すでにN部さんも到着していて、私はそれなりにピークを作ったつもりなので少し緊張気味。でも、2人が冗談言いながら準備するのを見ていると次第にこちらの気持ちもほぐれてきた。

8:00過ぎにアップ開始。コース周辺の農道まで上がって適当に作った周回でペースを上げる。ちょうど、レースのクライマックス、あの「曽々木の丘」のあたりだ。細かい田んぼ道の入り口にもに立哨の審判の方がいた。既にBR2、3のレースは始まっている。私はアップをしながら、ちらちらとコースをのぞきながらの観戦であったが、真夏の太陽の下の対応は誠にご苦労なことである。

一般車は規制とは言えコース上には地域で生活している人たちがいる。その人たちのクルマをなんらかの形で折り合いをつけて通すことも必要だ。また、実業団のレースは運営上「足切り」が容赦なく行われるが、できるだけ完走させたい配慮がうかがえて、審判の方たちの気苦労もはかり知れない。

さあ、今度はこちらのレースが始まる。大周回1周27kmの年代別レースだ。周回中程にそこそこの登りがあってこれを過ぎれば、暗いトンネル、畳コーナ、先述の曽々木の丘がポイントだろうか。距離が短いのでそこそこ出し切らないとレースについて行けない。かといってトンネルまでに使い果たしてしまうとあとはグルペットか一人旅の厳しい現実が突きつけられる。

2周のチャンピオンに引き続き1周の年代別の各クラスが次々スタートしていく。列の前にいらしたプリンスロード、BMCニューバイクのブースケさんと雑談しているうちに9:30、われわれシニアAのレースが始まった。内容に関しては特記すべきことはなくて、例年通りトンネル手前の上りで切れてしまった。ただ、Yottakeさんのあれよあれよという間のアタックは印象深く、Bombusさんとのグルペットの展開もなかなか楽しかった。前を行く集団が見えた時に、このグルペットの士気をなんとか上げたかったがもうこちらはいっぱいいっぱいどうしようもない。

ところで前振りの通り、今日のレースでチームメートがけがをした。ゴール前のスプリント中に追突され、本人曰く、気がついたら救急車の中であったそうだ。脳しんとうであったらしい。精密検査の結果、幸い大事には至らず外傷の処置の後、痛み止めの薬と湿布をもらって、私は単なる付き添いであったが数時間過ごした救急病院を後にした。

しかし、今日は日曜である。にもかかわらず今日のレースのけが人だけでなく、次から次へと救急病院へけが人が担ぎ込まれる。詳しくは書かないが、屋外で過ごすことによる不慮のアクシデント、それもスポーツがらみのけがが多いように見受けられた。

ドクター、看護師、事務合わせて10名程度のスタッフが対応していた。日曜なのに、しかもお昼休み無しである。脳しんとうを起こした私のチームメイトの対応には非番であった先生もわざわざで駆けつけ検査結果のチェックにあたっていた。そして、問題ないとわかるとその先生も我が事のように喜んでくれたそうだ。あと、この救急病院には2人知り合いが救急車で担ぎこまれていた。つごうレース関係者は10名程度お世話になったとのこと。そしてちょうどそのころ、NHKのお昼の全国ニュースでこのレースのけが人の数が大きく報じられた。

この報道の影響はすさまじいものだった。私が見聞きしたものだけでも以下の通り。まず、この救急病院でけが人の対応に当たっていた大会関係者へのS新聞の電話による取材攻勢。10分以上はこの救急病院の電話を占拠していた。ここを病院と知っての狼藉か!また、けがを負ったチームメイトを伴って機材を回収しに大会事務局へよったところ、私が油断した隙に彼はマスコミに囲まれてしまった。A新聞の強圧的な態度。「レースは危険」のレッテル貼りがみえみえだったらしい。H放送は彼の男前台無しの絆創膏と包帯に覆われた姿をビデオカメラに収めようとする。私は頭にきて彼らを追っ払ったが、それでもY新聞は彼の顔を写真に撮らせてくれとすり寄ってくる。これもまた恥ずかしげもなく、ずうずうしいというか品がないというか呆れて、彼はきっぱり拒否した。

レースから帰ってみてもっとすさまじさを実感した。家族だけでなく、普段仕事での付き合いの人たちからも顔を合わせれば、「大丈夫?」「あんたがけがしたら困るんだよ」と心配とも苦情とも思える言葉をいただくことになる。NHKの全国放送というものは、ことほど左様にすさまじい威力を持っていて、地元のマスコミがそのあとを追ってイナゴのように追随し、関係者の心情を「食い尽くす」。これについてはNHKは強く自覚をして欲しい。

NHKには最近、自転車びいきともいえる経営方針がうかがえる。趣味の自転車の講座を初め、BSの自転車特集や自転車にはまっているタレントの紹介。7月終わりにはNHKラジオで1週間、自転車多岐にわたって見つめなおす特集も行っていた。今回の件は自転車の「影」もという報道デスクの妙なバランス感覚を刺激してしまったのかもしれない。事実、このレースは3年前、一度中止に追い込まれている。今度つぶれたらもう復活は難しいとも聞く。今回の件もなにか政治的な力の存在を感じなくもない。

自転車レースにけがは付き物で、別に珍しくもないし今年が特に多いというわけでもないだろう。もちろん、死人はめったに出ない。けがは当たり前とは言わない。けがは本人だけでなく周りの人の心も傷つけてしまうからしないには越したことはない。今回お世話になった医療関係の方々にも休みにも関わらず対応して下さることも誠に申し訳ないことでもある。

しかし、ようやく今自転車ブームがきてその文化が根付こうとしている。じつはそこまでではないかもしれないが、時代がこの流れに向かうことは確かで、自転車レースがこれを後押しすると確信してる。なぜならスポーツは世界に通用する強い日本の選手が出て初めて認知されるからである。何度も言うけどけがは良くない。が、スポーツには付き物といってもよいだろう。

「丸岡」は始まってもう20年。もう「善良な風俗」といってもよいだろう。豊かな自然をめぐる日本でも数少ない公道レース。先輩たちが築きあげたこの財産を簡単に失ってはならない。

放送法 第3条の2
放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによら なければならない。
1.公安及び善良な風俗を害しないこと。
2.政治的に公平であること。
3.報道は事実をまげないですること。
4.意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

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コメント

mattaさん おひさです。
私もasahi.comのニュースで事故のことを知りました。
こんなに報道陣が詰め掛けてたなんて知りませんでした。
マスコミってなんか標的探している・・・そんな感じですね。
しかし、mattaさん怪我なくてホッとしてます。

投稿: Shizuoka@金沢 | 2007.08.11 20:20

◆Shizuokaさん、どうもありがとうございます。
そうですね。マスコミも視てもらって、読んでもらってナンボですからつかみの良いネタを探すんでしょうね。しかし、こんなローカルネタにNHKが引っ張ったとはいえ、各社一斉に同調するなんて恐ろしいというか、単純というかこの国のジャーナリズムの危うさを感じます。まあ、それだけ自転車が注目されていることの裏返しともいえるでしょうか。

投稿: matta | 2007.08.11 22:10

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