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2006.08.27

全日本マウンテンサイクリングin乗鞍2006

数年ぶりかの「全日本マウンテンサイクリングin乗鞍」。私には特に思い入れはないけども、おそらく日本でもっとも人気のあるヒルクライムレースのひとつである。今年は4月初旬にエントリ開始、そして数日で受付終了と変わらぬ人気の程を見せつけた。また「乗鞍、1時間○○分」といえば、「実力」として日本のサイクリストの間で、もっともメジャーな共通指標となりうるのではなかろうか。他人と比べるのは詮無きこととわかっていても、それに一喜一憂し、モチベーションになりうるのは確か。

さて、今回は前日からRoman金沢の仲間と乗鞍入り。遠足気分で楽しめたレースであった。ひそかに目指していた1時間20分切りには4分あまり遠く及ばなかったが、最後は追い込んだ時独特の咽から湧き出す青臭い痰の感覚に久しぶりに浸ることができた。そう、この感覚だったのだ。

レース走行距離【20.5】km

前日、11:00にローマン金沢出発。みかみさんのお見送り、社長から餞別のカーボショッズコーラ味を頂いて乗鞍へ。chifさん、むらいさんと乗り合わせて14:30には乗鞍高原に到着した。受付会場の広場は既にお祭りムードで楽しい気分にさせてくれる。宿に引き上げ、同行の二人は刺激を入れにひとっ走りしに出かけたようだが、私は朝錬してきたので、掛け流しのいい匂いの温泉に浸かっていた。

宿の食事は豪華ではなかったが、値段と宿の性質からすればこんなものでしょう。千葉からこられた乗鞍ベテランの方とビールを酌み交わす。明日レースを意識しているのか、ROMAN金沢の二人をお始めとして、広い食堂で明日のレース参加で飲んでいるのは私たち二人だけ。いかに20分を切るか、そしてたのしく練習するか熱く語り合った。そして、部屋に帰ってからも、東京から自走でこられた初対面のツワモノ、えーじさんと話があって、またビールを飲みながら熱く語ってしまった。(飲んでたのは私だけ)

追加補給しようと自販機へ。しかし、ビールは売り切れ。でも、ココは高原の冷たい湧き水が常にストックされていて、5分もすればいい具合に冷えてくる。これを待ちながら、夕食の頃からふりだした雨足を確認しようと外をうかがうけど、温泉街のどん尻のこの宿からはもう真っ暗になってしまった山陰しか見えなかった。都合4缶開けてしまった。

さすがみな健全なサイクリスト。21時ぐらいにはもう寝床をしいて、22時前には消灯。知らぬ間に眠りに落ちてしまったけど、夜中に私の寝相が悪くふすまをいきおいよく蹴っ飛ばしてしまったらしく、皆をたたき起こしてしまったとのこと、、、。申し訳ありません。そして4:30起床。明るくなるのを待って森へ散歩に出かけようとすると、すでに、アップを始めている人がいる。まだ5:00なのに、、、。

しかし、私のこの認識は甘かった。結局、のんびりしすぎてアップできずに召集場の列に付くことになったのだ。食事を終えて宿を出たのは6:30。女子の上位の方が5:00に独自に食事をされていた。宿の食事はもう早くできないから、早めに自前で取って宿の朝食はサッと済ませてすぐアップが乗鞍では良いのかもしれない。

スタート1時間前の召集場の長蛇の列に、同じ金沢からこられたパワーキックのハチロクさんと口をあんぐりさせた。ローラ台を列のハザマで回している人もいる。ハチロクさんと私が参加する年代別のクラスEは、エントリー数は900人余り。さすがに主催者はこれでは具合が悪いと判断したのか500人とその他に分けてスタートとするらしい。

先行スタートのチャンピオンクラスから遅れること7:40に我々クラスE-1(500人)が怒涛のごとくスタート。後ろは確認しなかったが、中程前よりの位置付け。集団右側にいらした同じ金沢のトンデモクラブの方を目標に走り出す。スタート直後の温泉街はほぼ平地なのでいいペースで集団右側を駆け上がる。程なくしてスカッとした走りのハチロクさんも前に上がってこられたので、つかせてもらう。

コース上は不思議と秩序立って参加者が流れていく。のんびり走る人はその程度に応じて左からそれぞれレーンを保っている。もちろん、右左にカーブするところは勾配が大きく異なるので緩やかなところ、急なところを参加者の思惑に従ってコース取りしているが人数の割には私の見た限りにおいては混乱は見られなかった。出走クラス順とスタート時差が乗鞍運営のキモだと感じ入る。

トンデモの方とハチロクさんの二人の実力者に20km/h超のいいペースでアシストしていただきながら森の中をひた走る。スピード的に本日一番気持ちよい瞬間。心拍は170ちょいと数値的にはいいペースだけど、今の私には辛くていつ切れるか時間の問題であった。アップをしていない言い訳モードが頭の大半を覆いそうになる中、ハチロクさんへのお返しに少しでも前を引こうと思うけどもうペースは上がらなくて結局スタート5kmでお二人から千切れてしまった。

ココからは、ペースのあいそうな人を捕まえて抜きつ抜かれつを繰り返しながら自分との苦しい戦いが始まる。序盤はガンガンダンシングで攻めていたが、次第にその割合は減少し、激坂や部分的な平坦でスピードアップする時しかダンシングできなくなっていった。中間地点でのタイムは32分を越えていた。トータルタイム1時間20分切りの目安30分からはずいぶん遅れた。しかし、時間的には50分も残っているので挽回は聞くはずと思い直して前だけ見て走る。

心拍次第に落ちてきて160台中盤。勾配もきつくなってきた。ガスもかかって気温が低いせいか汗はグラスに一筋二筋流れる程度だが、息は苦しい。苦しいけども吐く息を意識して「ハッ、ハッ、ハッ」と繰り返していると意外と苦痛は薄らいでいく。不思議な感覚だ。森林限界を超えガスが消え、見通しが利くようになると上空からヘリのホバリング音が聞こえてくる。そして、ゴール付近の乗鞍のサドルポイント、標高2715mが見えてきた。

この辺から、7分後発のクラスE-2の実力者が私をかわしていくようになった。そのたびに反応してついていこうとするけども、100mともたない。その中に25Tか27Tのギアで、フォームはお世辞にも良いとはいえぬが、くるくる高回転で回していくノースリーブの方の走りをみて、今日は高回転で行く方針を思い出した。

早速、25Tに落としてシティングでついていく。息は苦しいが足は回復してきた。あと4km地点で20分切まであと16分。この坂を4分/kmで行くのは難しい。あと3km、2kmが出てくるのが待ちどおしい。でも、この乗鞍をもっと走っていたい。そんな身勝手な葛藤が頭の中を行き交う。そんな自分との格闘の中、ゴール手前で下山待ちのローマンのleohiroseさんから激を入れられ、まだ遠く及ばないleohiroseさんのタイムを想像できたあたりはまだ追い込みが足りなかったんですね。結局、私は1時間24分18秒。

ゴールの余韻をしばし味わいたいところだけど、あれこれ注文が多いのでそそくさと着替えて下山の列につく。登ってくるレース中の人も平準化され、ちょっと心配した下山者との接触の心配はないようだ。一旦駐車場で足をとめ写真を撮る。大雪渓にもガスがかかってきて乗鞍に別れを告げた。

060827podi下山するとピーススポルトのハラダキャプテン発見!ようやく怪我から回復されたご様子に安心した。去年、レガッタでお世話になったムラタコーチとも再会。15分切りをされたとのこと。ごつい手に握手した。プリンスロードのHさんがクラスAでぶっちぎりの優勝。トンデモクラブの皆さんも表彰台を始め上位で健闘された。ローマンからは先のleohiroseさんが13分台、ローマン金沢のむらいさんが8分でクラス9位入賞。やったね!chifさんも吊った足をひきづりながら目標達成。

う~ん。これは書いているだけで次第に思いは来年の乗鞍に向かっていくから不思議。ロードレースもいいけど、ヒルクライムも捨てがたいな。冒頭の感覚を思い出したのも収穫だった。きっと遠い昔中学生の頃、陸上競技で味わった呼吸性のある一定の極限状態。といっても危険なレベルではないと思う。これからはこのランに近い回転で追い込んでいくトレーニングをやっていこう。観光センターの食堂で同行した3人でむらいさんのささやかなお祝いをして会場を後にした。

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コメント

ゴール手前で声援を送って頂きありがとうございました。おかげで最後まで踏ん張り切る事が出来ました。ゴールから見る景色は最高で特に空の青さに感動しました。密かに目標だった1時間30分を切る事が出来なかったのはちょっと残念です。レース前までは何の気負いもなく臨んだのですが、一緒に同行したクラブ員の気合の入り方などを肌で接して、レース後にこれまでの自分の過程をちょっぴり後悔したりと得るものが多かったレースでした。

投稿: Tyoku | 2006.08.28 08:03

Tyokuさん、昨日はお疲れ様でした。森林限界あたりからの乗鞍の稜線と絵の具で塗ったような青空のコントラスト印象的でしたね。私も最近は練習以上のことはできないと妙にサトってしまっていて、意気込みも無く出走となりました。しかし、レースは普段出ない力も出るようで、助けてもらったのですが部分的には良い走りもできてまずまず満足しています。

投稿: matta | 2006.08.28 19:07

mattaさん 乗鞍お疲れさまでした。

序盤、けっこういいペースで金沢の山岳王S本さんなんかについていったもんだから、序盤で心拍数レッドゾーン!!自爆でした・・・
ヒルクライムの結果っていうのは正直なもんですネ!!また来年まで修行を積んで再チャレンジです。
またまたレースにイベントに飲み会にご一緒させてください。
では・・・

投稿: ハチロク | 2006.08.28 23:09

mattaさん、こんにちは。乗鞍の宿で同室でしたえーじです。よーやく東京へ帰ってきました~。信州はいろいろ峠があって、楽しいですネ。

ブログ、見させていただきました(まだ一部ですが。。。)。すごく本格的に自転車に取り組んでいらっしゃるんですねっ。

これからじっくり読んで、参考にさせていただきます~。

投稿: えーじ | 2006.08.28 23:28

お疲れ様でした。
天気に恵まれたようで、良かったですね。
レースレポートも楽しみにしています。

投稿: Go-T | 2006.08.29 10:23

「追い込んだ時独特の咽から湧き出す青臭い痰の感覚…」すばらしい表現、説得力ありますよねぇ…。
よくわかります。(笑)

投稿: Choko0247 | 2006.08.29 15:09

ハチロクさん、えーじさん、Go-Tさん、Choko0247さん、コメントありがとうございます。
◆ハチロクさん
お疲れ様でした。レース序盤はお二人の引きにしびれました。少しは引きに回りたいところでしたが、ついていくのがやっと。(すぐ切れちゃいましたけど)あれがなかったらアップしていない身として、最後までエンジンかからなかったかもしれません。ありがとうございました。
◆えーじさん
東京からの自走+レース+自走、お疲れ様でした。えーじさんのサイトは話題も豊富でとてもすぐには読み切れません。オフシーズンの楽しみに取って置くつもりです。ぜひ、北陸遠征もご検討下さい。オススメコース取り揃えてお待ちしております。
◆Go-Tさん
天気、これ一番ですね。とくに日本の極地みたいなところですから、場合によっては地獄にもなりかねません。天に感謝するばかりです。
◆Choko0247さん
恐縮です。わかっていただけましたか!嬉しいです。

投稿: matta | 2006.08.29 22:25

丸岡もでれず、乗鞍も鈴鹿も沖縄も
DNSです。しょげています。
能登のスタッフで呼んでくれないし!

我がクラブの石山さんは乗鞍に初回から
全て出場、完走です。
脱帽!!

投稿: 周三 | 2006.08.30 08:34

周三さん、お疲れ様です。お嬢さん方は、きっと周三さんの背中を見ているはずです。越前おろしそばの方をお見受けしましたよ!

投稿: matta | 2006.08.30 23:19

乗鞍お疲れ様でした。
いつもながらmattaさんのレポートは臨場感が溢れていて、今回もしっかり楽しませてもらいました。
私も乗鞍に参加したくなりました。それまでは富士の麓で修行せねば!!

投稿: のりっち | 2006.08.31 21:50

のりっちさん、コメントありがとうございます。やっぱりRFX8はいいバイクです。急坂を登ってよし、ラフな舗装も下って良しで乗鞍でもたくさん見ましたよ!

投稿: matta | 2006.08.31 23:12

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