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2006.03.26

Tour De France Soundtracks

060326TDF70年代末から80年代、リアルタイムで大好きだったバンド、TOTOの日本公演がこの4月、金沢を皮切りに、名古屋、広島、福岡、大阪、札幌、横浜そして東京で行われる。地方にいてこんなチャンスはめったに無いので、もう先月になるだろうか勇んで予約、ゲットした。

買ったチケットを確認すると、なんと最前列!しかも、ベースのマイク・ポーカロ先生の立ち位置、まん前ではないか!!あのベースを抱きかかえるようにしてプレイする姿をまさにこの目の前で見て、聞けるのだ。ベースをかじったことがある身としては、ノリが悪くて失礼があってはならぬと、早速7年ぶりにリリースされた新作"FALLING IN BETWEEN"を求めて駅前リブロに足を運んだ。

ポップ・ロックの棚を漁ってみるが見当たらない。ふと、振り返ると「プログレ」コーナーが。おー、最近流行っているとは聞いたことがあったが幅3m、4段ぐらいにディスプレイも含めてぎっしり並べられている。有名どころのクリムゾンやyes、ピンクフロイドなどはもちろん、マニアなムーディーブルース、大好きだったUKまであるゾ。

もう、TOTOそっちのけで、あれもこれもと手を出すが、ふと端の「テクノ」の一角に目をやると見覚えのあるジャケット、KRAFTWERK(クラフトワーク)の"Tour De France"と目が合った。このアルバムは、2003年のツール100年記念大会にあわせて発売された。当時は、懐かしいなーまだ現役だったのか、という印象だけ。そして、なぜクラフトワークとツール・ド・フランスなのか理解できなかった。

私が高校生の頃、日本でYMOが一世を風靡した。「東風」、「ライディーン」などポップなテクノサウンドは、下手ながらバンドにのめりこんでいた私を含め、周りの音楽好きの友だちに少なからず影響を与えた。当時、シンセサイザはまだとても高価で高校生が手に入れるのは難しかったが、友だちのS君と私は必死にバイトをして、彼はシンセのキットを、私はリッケンバッカ―ベースのコピーモデルを手に入れた。

ベースはそのまま弾けたが、シンセのキットは自力で組み立てる必要があった。早速、彼の家へ様子を観にいくと既に作業にかかっていた。まず、おびただしい数のICチップに度肝を抜かれた。彼も私も中学生の時からアマチュア無線をやっていて、簡単なハンダ付けなら慣れていたが、この数と複雑さにはさすがの彼も往生していた。

それでもS君は、確か数日で何とか組み立てて、フーリエ解析とか偏微分とか普通高校の劣等生の私にはまったく理解できない数学用語で一生懸命説明しながら、シンセの生の音を初めて私に聞かせてくれた。「ピューーーン」「ピコピコ」、私は歓声を上げた。しかし、彼はうなだれていた。いろいろ問題はあったようだが、音階にはならなかったのだ。

そんなこんなで、続けてバイトに精を出し、彼はローランドの中古のシンセを手に入れ、単音であったがYMOと同じ音を出した。しかし、セッティングに時間がかかった。今のようなメモリ機能が無いので、多くのパラメータをひとつひとつ曲やフレーズごとにアナログで設定する必要があったのだ。これは本家YMOもおんなじで、マニュピレータと呼ばれる一種のプログラマが演奏の準備を曲ごとに行っていたはずである。

そんな折、S君(だったと思う)から先のKRAFTWERKのアルバム、"Die Mensch-Maschine(人間解体)"を聞かせてもらった。音はもとよりアルバムジャケットを見て驚いた。YMOの「ソリッドステートサバイバー」にそっくりだ!真っ赤な共産党服、もみ上げが無いテクノカット。(自転車好きの谷垣大臣もそうですねー:)このアルバムが2年も前に出ていたのだ。ポップミュージックとして昇華させていたYMOのほうが、まだ私は好きであったが、飽きてきたのもあるけど一気に醒めていったことを思い出す。

KRAFTWERKはテクノの始祖であり、以来30年テクノだけでなく、ハウス、ヒップホップなどのDJ文化にも絶大な影響を与え、そのまんまサンプリングされたりするが、今回遅ればせながら"Tour De France Soundtracks"をじっくり聞いてみて、彼等をキャッチアップするどころか付いていくことも当分できないのではと思ってしまった。ところで、このグループのリーダ、ラルフ・ヒュッターは、テクノが日本でブームになり始めた頃に、過酷なツアーずくしで問題意識を持ったらしく、健康維持にとベジタリアンとサイクリングを始めたそうだ。年齢からすると30代中盤、やはりこの時期なんですね~(^^;)日本語版ライナーノーツによると

最初は面白がってグループでサイクリングなどしていたものの、1人減り、2人減り、残ったオリジナルメンバーの相棒シュナイダーがビールを飲みながら適当に続けていたのに対し、ラルフだけが度を越した熱中を初め、、、(中略)、、、自転車チームに入るわ、自分の身体に合わせたハンドメイドのハイテク精密自転車を何台も所有するわ、(中略)などという過激マニアになった。プライベートでも寡黙な彼がこと自転車のことになると「これぞマン・マシーンだ。私だ。自転車に乗るマンマシーンだ」と断言している。なんでも、1日100km以上が日課らしく、ツアーでも自転車を運搬し、目的地から100km手前でツアーバスから降りて自転車に乗り換えるほどらしい。(以下略)

もう、60近いラルフが毎日100km走っているとは考えにくいが、自転車に対する情熱はあらゆる面で衰えを見せていない。公式サイトのショップには、ポケット付きのサイクルジャージまであるし、あるインタビューには今後のバンドのありかたを問われて、それを自転車に例えてこう答えている。
やはり競技用自転車だろう。個人の力を発揮する場であると同時に団体競技でもある。サイクリングの本質がチーム精神と個人の能力の双方に則っていて、お互いは上手く作用し合わなければいけないものだからね。また、自転車は常に前へ進むものだ。クラフトワークと同じようにね。

アルバムの中身についてはなにも言いません。是非、CDで聞いてみてください。輸入版が一時期CCCDであったと聞いたことがあるのでご注意を。さて、冒頭のTOTOの新作ですが、これもイイ!彼らも80年代のAORの匂いを残しつつ確実に進化しています。メタルやプログレ、ジャズ、フュージョンといった全方位に渡り楽しませてくれます。まあ、隙が無いのが欠点といえば欠点なのですが。金沢のチケットはまだあるようなので、興味のある方はこちらへ

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自転車ソフトウエア」カテゴリの記事

コメント

mattaさん,こんにちは.自転車に乗りはじめてからこのCDを買いました.
私もYMO経由だったと思うのですが,「Autobahn(アウトバーン)」というLPを買った記憶があります.当時,スピード感を求めて購入したはずですが,全然進まない車にガッカリした記憶が(笑)
でも,「Tour de France」は雰囲気出てますよね.天気のよい日に聴くと,いけません.自転車に乗りたくなってしまいます.

投稿: yanz | 2006.03.27 09:12

mattaさん、意外や意外ですね。かく言う私はプログレでレコード代の大半を費やしていた者です。このコーナーのあるCD屋さんは何処にあるんですか。県内の者として是非、ご教授お願いしますよ。
ちなみに私はナイス、EL&P、ソフトマシーン、キャラバン、キャメル、EGGetc聞いてましたよ。その後はメタルとJAZZが中心になりましたが・・・・

投稿: furu | 2006.03.27 20:50

TOTO!高校後半から、大学初期に良く聞きました。いい加減でしたが。
クラフトワークの作品も名前だけ聞いてきわものかとも思っていましたが、mattさんのこの記事を読んで聞きたくなりました。mattaさん、いい意味でほんとマニアねぇ。マジで尊敬します。みちの道にも弟子入りしたいですし。
関係ないかもしれないけれど、当時クラウス・ノミっていましたよね。エイズであったいう間になくなったのが印象的でした。

投稿: kona | 2006.03.27 21:54

yanzさん、furuさん、konaさんコメントありがとうございます。
◆yanzさん、ほんとですね。一度、ipodで両耳にイヤホンして聞きながら走ってみたいのですが、危険ですよね。今思ったのですが、両肩にスピーカ仕込んで走れるサイクルジャージがあれば売れるかも!?
◆furuさん、金沢駅前のリファーレ1階のリブロです。店員さんによると、ひと月に一度東京から「プログレの先先」が来て品揃えのアドバイスされるとか。今後も力を入れていくと聞きましたよ。しかし、furuさんは音楽の幅が半端じゃないですねー。またお話聞かせてください。
◆konaさん、TOTOお好きでしたか!新作いいですよ。TDFよりオススメかも。(^^;)TDFは聞く人に寄ればキワモノかも知れませんが、自転車乗りなら並のファンより強く共感できると思います。クラウス・ミノ、オペラからの人なんですね。また、教えてくださいね。

投稿: matta | 2006.03.27 22:02

KRAFTWERKの"Tour De France"、曲は知っていたのですが、先日初めてPVを見ました。
(スカパーのVMCで80's特集やっていたので)

TOTOは今でも昔の曲をiPodShuffleに入れてジョギングしています。「Africa」なんて聴いていると、地平線の向こうまで走って行けそうな気が・・・(笑)。
TOTOは「剣」シリーズのLPアルバムジャケットが格好良くて好きでした(全て処分してしまいましたが)。

投稿: Go-T | 2006.03.28 17:54

Go-Tさん、コメントありがとうございます。オリジナルの"Tour De France"は83年に出てるんですよね。その時、ラルフが自転車で事故起こして2日間昏睡状態に。意識を戻した第一声が「オレの自転車はどこだ」だそうです。(^^;)

TOTOの新作に"Africa"を彷彿とさせる曲があります。やはりiPodShuffleですね~。欲しいな~。

投稿: matta | 2006.03.28 20:40

お久し鰤です。

TOTO大好きです!ニューアルバム出たんですね。聞きますよ!ライブには行けそうにないなぁ・・・。名古屋にも来るみたいだけど。ボビー・キンボールのボーカルのころが好きです。今回来るんですよね?オール・アス・ボーイズを高校の文化祭でやろうとしましたがあきらめました。
(^_^.)

投稿: たっち | 2006.03.29 23:23

たっちさん、名古屋の新生活も慣れられましたでしょうか。
たっちさんもお好きだったんですね。私もせいぜいグラミー賞を総なめにしたVIまでなんですけど、今回の新作はキャッチーなヒットねらいは無いものの、聞けば聞くほど味が出てくる、総合力の高いものに仕上がっています。随分ひいきめかもしれませんがね。デヴィッド・ペイチがツアーに出ていないそうですが、ボビー・キンボールはギンギンに飛ばしているようです。う~ん、楽しみです。
http://www.melodicrock.com/live/toto06.html

投稿: matta | 2006.03.30 20:51

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