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2005.06.12

金沢->松本山岳ライド

NORI_Sunset
2005/6/12日曜日、日没間近の岐阜・長野県境、安房峠。5年近く山サイをともにしてくれた、MTBとのラストライドも大団円を迎え、残すところ松本までのダウンヒルのみ。一通り峠付近の写真など撮り終え、さあ下ろうと思ったところ背後に気配!今まで暗くなる一方だった乗鞍岳が突然の夕照。カーテンコールでどん帳が上がるように夕日が頂上に向けて駆け上がった様に見えました。

早朝に、金沢郊外を出発。「険道」探索、数々のトラブルに見舞われたロングライドでしたが、この見事な自然のアンコールで疲れが一気に吹き飛びました。前方の焼岳も見事な夕照。しばし、見とれておりました。もう誰もいない暗闇迫る峠で、よい大人が雄たけび上げながらMTBで下っていく様は、さぞ滑稽だったことでしょう。

主なルート
-金沢-(r10)-刀利-(r54・ブナオ峠)-白川-(R360・天生峠)-河合-(R41)-古川-(R158・安房峠)-松本

雨の中の出発
4:00起床。外は少雨とは言えしっかり降っています。一応準備済み。予定したルートは山岳中心。山で降られるとキツイし危険。しばし、ネットのアメダスと降雨シミュレーションとにらめっこ。今日を逃すと7月に入ってしまう。恐い吸血アブの「オロロ」も出てくるかも。最大の難所はブナオ峠、ダメなら帰ってくれば良いと6:00前に意を決して出発しました。

スリックタイヤとは言え、MTBは重くなかなかスピードも上がりません。まだ小雨も降っています。ちょっと憂鬱。しかし、金沢市街地を過ぎ、r10に入って湯涌温泉を過ぎる頃には雨は止んでしまいました。こうなると現金なもので、なんだかうきうき。ペダルにも力がこもります。ここで熊鈴をセット、一路ブナオ峠を目指します。r10の採石場?周辺は相変わらずのダート。刀利ダムへ一旦下り湧き水を頂いて、ブナオ方面の通行止めゲートは空いているので、そのまま突破。ダム湖近くの長めのトンネルの中では、危うくひっくり返りそうに。スリッピーな泥で路面が覆われています。

悪路を富山・岐阜県境ブナオ峠へ
ココから先のr54は自転車ではオススメできません。野に帰りつつあります。金属光沢のあるアブのような虫が取り付きます。一瞬、オロロかと身構えますがそうではなさそうなので、ホッとしました。鬱蒼とした木々が道に覆い被さり、落石や倒木が行く手を阻みます。何時熊が出てもおかしくない様相。何度か年配のハイカー達と出会いますが、彼らは涼しい顔で難所をやり過ごしていきます。漕げるところならダンシング、押せば熊鈴は鳴ってくれます。

そして、ようやく9:00にブナオ峠(990m)に到着。時間感覚的には2/3の乗車率と言ったところでしょうか。峠は五箇山から上がってきたハイカー達のクルマで盛況。峠の石標が隠れてしまったようです。とにかく先を急ぎます。ココからのくだりは私にとってテクニカルなカーブが多くスピードも上がらず。一度、コースアウトして草むらに突入。危なかった。崖じゃなくて良かった。今日一番の難所と予想していた箇所をやり過ごして安堵、R156を快調に南下して、白川村のコンビニでプリンを補給。元気が出たところで、さあ、天生(あもう)峠へ。

出たか妖怪変化!
峠入り口R360を間違えて、一旦下って仕切りなおし。峠以降の河合村へは通行止めの文字が。自転車なら良かろうと快調に漕ぎ続けます。天生峠は1289m、白川村からは標高差800mのヒルクライム。心拍数は160台中盤で淡々と登ります。杉林からはけだるいカナカナセミの声が、まだ6月なのに。標高が上がり、ブナ林が主だった植生にいたる頃には、小鳥のさえずりが中心になり、こちらの方が力が入りました。

見知らぬ道は不安もありますが、初走りの新鮮な面白みがこれを凌駕し、ふだんより追い込んで走ることができるようです。ふと谷間を覗き込むと、九十九折の今登ってきた道が眼下に望めます。また、ピークに近くなると白山でしょうか?ほぼ真後ろにその美しい姿が現れます。そして、やや長めの鞍部を抜けると、ようやく峠の道標が出現。そこには、「高野聖由縁の地」の文字が。魑魅魍魎が跋扈する妖しい物語の舞台になった地!あらかたストーリは忘れてしましたが、エロチックな挿絵は覚えています。(^^;)

天生峠から先は、通行止め。また例によって、ゲート横をすり抜けダウンヒル開始。ブナオ峠を通ってきた身にとっては、多少の路肩の崩れかかった箇所や落石はあれども、乗車率100%で軽快そのもの。当然、車は走ってきません。しかし、後輪のふらつきが気になりだします。思えば、このホイールは私が組んだもの。ニップル回しも持ってきたので後で振れ取りしようと、Vブレーキをバシバシかけながら下ります。でもこれがいけなかったんです。

河合村側ゲートを通過後、気温も上がって来て、ベストを格納しようと停車。しばらくして、異変発生!前輪のバルブからシューと空気漏れの音が!お、パンクかとリムに手をやると、異常に熱い。ブレーキングによる摩擦熱が原因と気がついたときには、後輪からもシュー!オー・マイ・ガーッ!!と叫んだ松本までの中間地点だったのでした。

杉林での格闘
前後ともパンクしてしまいましたが、あるベテランローディから「チューブ2本は持つべし」との箴言があり、今回は実践していましたので、余裕はありました。しかし、この先には2000m近い安房峠からの松本へのダウンヒル。そこで、パンクしたら万事休す。予備のチューブは持っていたいところ。ふと気がつくと、道脇の杉林の向こうから心地よいせせらぎの音が。まず、ココへMTBを行水させ、ホイールを冷やします。あと、ブナオでこびりついた泥も落として、チューブの修復に取り掛かりました。

やはり、バルブ付近の継ぎ目あたりに微妙な大きさのクラックが。もう一本も同様です。思えば、このチューブはMTBについてきた5年近く前のもの。経年変化で劣化していたのでしょうか。気前よく、交換してくればよかったものを、と思ったところで後の祭り。これらを見切ることにします。果たして古川か高山でチューブを調達できるだろうかと、不安を抱えながら慎重にチューブ交換。初めて使うWESEロードレースポンプ、なかなか空気が入りません。注入口の押さえを一旦はずし、バルブを突っ込んでから固定するとようやく入り始めました。しかし、適当な圧をかけるには結構体力使いました。(^_^;)

飛騨古川の幸運
既に13時を周り、古川への道のりは憂鬱そのもの。タイヤの空気圧が足りないので、スピードが上がらないのです。今度は、ゲージのついたしっかりしたものを準備しようなどと思いながら走っていると、天生峠下りで気になっていたリアホイールの振れはますます激しくなってきました。

ついに耐え切れなくなり、自転車をひっくり返して確認すると、ホイールではなく、タイヤが変形してきていることに気がつきました。チューブはまだしも、26インチスリックのタイヤを在庫しているショップは見つかるだろうかと、ますます不安に。くだり基調とは言え、圧は足りないしバランスは最悪、週明けの予定をキャンセルして高山でゆっくりしようかと思いながら進みます。ようやくR41、古川市街地に入ったところで思いがけずサイクルショップ発見!"Anchor"のPOPもあります。おー、ロードバイクも!!天は我を見放さなかった。

期待通り、チューブを調達。空気入れを借りて、ふだんどおりバシッと圧をかけます。しかし、リアのタイアは変形したまま。店の主人によると、ビードがいかれているとの由。在庫の有無を尋ねますと、ありましたありましたPanaRacerのアメサイドのシックなのが。安くしてもらって、消費税までおまけしてもらいました。タイヤを交換、また圧をカンカンにかけて、世話になったお礼を述べ、松本に向けてようやく気持ち良くゴー!

スーパーダウンヒル
まだしっかりした昼食を取っていないことに気づき、ウイダー系のゼリーとおにぎりをコンビニで詰め込んで長い長い約50kmのヒルクライムの始まりです。ココからは快調そのものでした。R158高山側は道幅が広く、交通量もそう多くは無いので、気持ち良く登りが楽しめます。次第に乗鞍の姿も大きくなってきます。想定外のタイムロスにより、平湯峠はパスして素直にトンネルへ。一旦下って、平湯温泉についたのは18:00のことでした。

NORI_ABO
ここから安房峠へは、標高差800m、約8kmの本格的なヒルクライムです。平均速度10km弱で登れば日没前には峠到達、明るいうちに峠を抜けられるだろうと皮算用して、淡々と登り始めます。昔、安房トンネルが無い頃に1度クルマで峠越えをしたことがありますが、その頃とは一変。行き交う車もわずか、沿道には岩抱きの樹海、手が届きそうな乗鞍岳など今日最後のヒルクライムを演出してくれます。そして峠では、冒頭に上げたような光景に出くわすことになったのです。

気温は10℃台前半、しっかり着込んで夕闇迫る安房峠をガンガン攻めます。松本側は典型的なヘアピンカーブの応酬。ですから、ブレーキングは180度転換するカーブのみ。リムに熱を貯めないように直線では思いっきりいきます。キツネと鬼ごっこしながらあっという間に、上高地への分岐点。

新釜トンネルは開通間近の様相。ココからしばらくは、トンネル、洞門のオンパレードですが日曜日の夕方は交通量も少ないので、黄色い照明灯の中を気持ち良く下ります。トンネルの舗装面は結構荒れていて、ロードでは不快でしょう。しかし、ここはMTBの本領発揮、多少の凸凹はものともしません。乗鞍高原への分岐点を通過して、奈川渡ダムの幻想的な夜景までナイトダウンヒルを堪能しました。

しかし、ココから松本郊外まではほとんど闇。真っ暗なところに限って後続のクルマもありません。LEDライトだけが頼り。また、気になるブレーキングをしながらようやく松本市内に入りました。最後が下りでよかった。乗車時間はほぼ12時間。こんなに乗ったのは生まれて初めて。久しぶりの尻痛を感じながらも、帯状に広がる松本の夜景を見ながら達成感を味わっていました。

【後日談】
今回のロングライドの第1目的は、「ロングライド」そのものだったのですが、もうひとつありまして、松本に住まう実弟にこの自転車をもっていってやることだったのです。彼も、ご多分に漏れず運動不足の中年の域にあり、彼なりに問題意識もあるようなので、愚かな兄でも自転車ではるばる故郷からやってくれば、何か感じるところは有るだろうと、まあ押し付けがましいところ無きにしも非ずですが、このような「演出」に至ったわけです。

そして数日後、彼からのメールによると、「あれから頂いた自転車に毎日乗っています。頂いた日にのったときはとても恐くて、2度と乗るものかと思いましたが、今はそのスリルからか病み付きです。~」などと真偽の程は不明ですが、殊勝にも兄貴を喜ばせようとしている姿勢は評価できますので、良しとすることにしましょうか。(^^;)

KtoM_prof

(金沢=>松本プロフィールマップ,Special Thanks to ばったさん)

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コメント

思わず引き込まれて読みました。
こういうバイクライドもいいですねぇ。

この次の塩硝街道といい、蒙を開かれる思いです。
週末の内灘の後の打ち上げはこられますか?また、語り合いましょう。

投稿: コナ | 2005.06.22 16:34

コナさん、拙文にもかかわらずお読み頂きありがとうございました。

松本線や高山線の高速バスを利用すれば、結構エクストリームなライドを楽しめそうです。平湯温泉のバスターミナルには、銭湯もありますので、すっきりしてビールを飲みながら日帰りできますよ。夏にはシクロクロスバイクで、もっと激しくいきたいと思っています。ご一緒にいかがですか。

こぉせぇさん幹事の打ち上げですよね。ブルベのお話もお聞きしたいですし、是非行きたいです。ただ、ずーっとサボってた野暮用が溜まっていて、、、。画策中です。(汗)

投稿: matta | 2005.06.22 21:01

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